最恐の毒ヘビに噛まれた弟
子供の頃、
弟は爬虫類に人一倍好奇心を持っていた。
ある日‥学校から帰宅した弟はリビングでテレビゲームをしていた。ふと母親が気付く
お母さん「あんた指から血が出てない?」
弟「あぁね、2日前にヘビに噛まれた」
お母さん「えぇ!?」
【ヘビに噛まれたとかさらっと言う次元じゃないけどそこが弟。何やら帰宅途中にヘビがいそうな穴を見つけたらしくそこに手を突っ込んだ結果、噛まれたと言う全く意味不明な経緯だった】
お母さん「それで大丈夫なんね?」
弟「うん、全然痛くなかった。血は2日前から止まらんけど‥笑」
お母さん「2日前って‥あんた笑い事やないよ!病院行くよ!準備して!」
お母さん「あんた噛まれたのマムシやないとね?」
弟「違う。多分ヤマカガシやけん大丈夫」
しかし病院での検査の結果、弟は即日入院することになったのです。
噛まれた蛇がヤマカガシだったことで・・
ヤマカガシとは?
当時の爬虫類図鑑では無毒のヘビと紹介されており、僕らもマムシだけは近づくなと散々言い聞かされていたが、ヤマカガシはほとんどの人が毒の無いヘビと思っていたため危険な生き物と認識してなかった。毒が無いと思われていた理由は奥歯に毒があるらしく噛まれても毒が注入されないケースがあり、相当深くかまれないと毒に侵されないからだ。しかしその毒はマムシやハブより強力と言われ、溶血毒という特殊な毒(血が止まらなくなる。全身内出血を起こし最悪死に至る)だった。
急遽、入院する事になった弟‥
しかしさらに問題が!
マムシならともかく
ヤマカガシはほとんど被害事例が少なかったため
血清がなかった
手に入れるまでに数日かかるということであった。
血清が届くまでの数日間
日に日に弟の体にバナナが腐ったような色の内出血が見え始めた。
弟が死ぬかもしれない
そう思わせるのに充分な症状でショックを受けた
夜になると痛みが増すらしく、病院のベットで
泣いている弟を見ても、何もしてやれなかった。
数日後、
血清が届き無事に退院
特に体に副作用や障害が残る事もなかった。
変わったことと言えば
弟の興味がヘビからサソリに変わった
【いいかげん懲りろよ!】
※ヤマカガシは今では有毒なヘビとして紹介されている
日本各地にいるヘビです。見つけたらむやみに近寄らないように